かつてゴールドラッシュで栄えた町がアメリカにどれくらいあるのでしょうか。私はカリフォルニアに滞在中に2つの町に立ち寄りました。
1つはワイナリーとして成功しているようで、ドライブを楽しむ観光客の姿を多く見かけました。春という気候のよい季節だったこともあり、ハーレーなど大型のバイクでツーリングをする集団も走っていました。そこはゴールドラッシュがあったことを感じさせないような行楽を楽しむ場所でした。
もし見つかった巨大な金塊が展示されていなければ、普通の観光牧場かおしゃれな「道の駅」だと思ったことでしょう。
立ち寄ったもう1つのゴールドラッシュの町は山の中にあり、道路の横には川が流れていたようで、いかにも川底で砂金を探しましたという雰囲気の場所でした。昔の雰囲気が感じられる木造の家屋が、川とは反対のせまい道路沿いに並んでいました。きっと景観を守るために、あえて古い感じを出しているのでしょう。少し広くなった場所には観光客用に馬車がありました。馬に引かせて町を1周するのでしょう。
でも昔のゴールドラッシュの時代に開拓された小さな町を馬車でまわっても、たいした見所はないように感じました。まあ観光用の馬車があるくらいですから、それなりの需要があるのかもしれませんが。最初に立ち寄った場所と比べてこの町は交通が不便なのか、あまり人気の町には見えませんでした。
けれどもこちらの町には木造の小さな博物館がありました。博物館といっても金探しの道具や日用品を展示してあるくらいです。そもそも町の歴史は浅く150年ほど前のゴールドラッシュが町の始まりで、きっと1番町が栄えたのもその頃だったのでしょう。
博物館の展示ケースにはそろばんが入っていました。そろばんの上の5玉が2つ重なっていたので、日本ではなく中国のそろばんだと分かりました。アメリカで金が見つかったと聞いて、はるか太平洋の向こうの中国から人が押し寄せたとは驚きでした。そんな昔にどのようにして連絡を取っていたのでしょうね。
2番目に訪れたゴールドラッシュの町は、砂金探しくらいの遊びしかなさそうな退屈な町でした。道を歩いていても実家の近所の山を歩いているような感じで、旅行に来たというほどの興奮もありません。
でも本来ゴールドラッシュがこのような地味な場所で起こったのですから、当時の雰囲気を残す退屈な町も捨てたものではありません。ツルハシやザルではなく中国のそろばんを目にした時、私は同じアジアの人間として彼らがそこでどのような暮らしをしたのか興味が沸き、もう少しその町に滞在して昔をしのぶのもいいなと思いました。
機会があればもう1度行ってみたいです。
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